2015年阪神タイガース2軍(ファーム)投手の投手成績を振り返ろう

阪神の2軍打撃陣に引き続き、投手陣の成績を振り返りましょう。未来の若手エースやJFKを彷彿させてくれる生きの良い選手はいるのでしょうか。1軍の投手陣はセリーグで、横浜DeNAベイスターズに次ぐ、5位という防御率に終わりました。FAや助っ人を獲得するのも良いですが、若手の育成にも注目が集まっています。
20150928-1

チーム投手成績

試合:117 勝:57 敗:53 分:7 順位:3位

2015年の阪神タイガース2軍(ファーム)最終順位は「3位」です。

チーム打率はリーグ3位の「.251」でチーム防御率もリーグ3位の「3.32」です。

阪神の所属するウエスタン・リーグは5チームしかありませんから、良くも悪くも普通といった成績でした。では若手は成長しているのでしょうか、来期のエース候補や中継ぎでいけそうな選手など、今年の成績を見ていきましょう。

チーム投手成績:先発編

まずは先発投手です、少しでも長いイニングが投げられて防御率が良い選手は誰でしょうか。2軍では先発も中継ぎもこなしている選手が多いですので、投球回数約50イニング以上投げている選手をピックアップしています。

試合 安打 三振 自責 防御率
岩貞 17 5 4 95.2 96 83 30 2.82
横山 16 6 4 91.1 69 77 24 2.36
秋山 21 3 5 89 85 63 30 3.03
サン 13 2 4 56.1 65 36 20 3.20
岩崎 10 3 3 51 47 37 18 3.18
岩本 13 4 2 49.2 55 32 20 3.62

この成績を見て注目すべき箇所はずばり、被安打数だ。投球回数より被安打が下であれば、比較的打たれにくい投手と私は判断している。

投球回数順に選手を見てみよう。

1位は「岩貞祐太」選手

2013年のドラフト1位で期待がかかり、今シーズンは1軍でも20イニング投げ1勝1敗防御率4.35と可能性をみせた。三振が取れるピッチャーで安定感が付けば1軍で投げていけるだろう。

2位は「横山雄哉」選手

注目は圧倒的に被安打が少ないことだ。2014年ドラフト1位ルーキーで1軍にも13イニング登板した。2軍のローテーションとして格の違いを見せつけた防御率は2.36。表には書いていないが、コントロールが良く岩貞と同じくらい投球回数があるにも関わらず、与えた四球は半分という精密さがウリだ。更に力をつければ、2016年の開幕1軍は十分狙える。

3位は「秋山拓巳」選手

コントロールが抜群の投手で、2軍では89イニングを投げて四球14という数字。1試合投げきり1~2個しか四球を与えない抜群の安定感。三振を取れる投手ではないので打たせてとるピッチングだ。1軍では、14イニングで0勝1敗防御率4.40と可能性を感じさせてくれた。

4位は「サンティアゴ」選手

助っ人外個人選手として1年目はほとんど2軍で過ごした。2013年のWBCでプエルトリコ代表として日本に投げ勝ったのが印象的。被安打が多く、三振も取れないので2軍でも苦戦が続く。1軍では3試合に先発し、1勝0敗防御率4.32という数字、被安打も多く投球は不安定だった。30歳という若さと1,500万という低年俸から、来期の契約はありそうだが・・・。

5位は「岩崎優」選手

2014年は先発ローテーションとして1軍で5勝4敗防御率3.50、今年も1軍でローテに入ったが、2桁の負け数と苦しんだ。防御率は3点台中盤で安定し、2016年もローテーション候補として期待がかかる。

6位は「岩本輝」選手

先発でも中継ぎでも投げれる万能投手。2軍では打ち込まれるケースがあり、防御率は3.62と苦しんだ。1軍では31イニングを投げ、防御率3.69という成績をみせ、特に4月は4試合に先発し防御率2.78と成長した姿を見せれた。梅野とのコンビで2016年先発ローテに食い込めるか。

チーム投手成績:中継ぎ編

中継ぎ陣をみていこう。2軍でのセーブ数が多い選手は「抑え」に回します。

この箇所が1番選手が多いので、「30イニング以上」投げている選手で限定して抽出しています。

試合 安打 三振 自責 防御率
筒井 34 3 3 57.2 40 39 15 2.34
山本 23 3 1 54.1 46 41 11 1.82
二神 31 4 3 49.1 37 51 11 2.01
島本 20 3 2 43.2 51 46 24 4.95
榎田 25 0 2 38.2 28 37 12 2.79
37 2 0 37.2 37 28 15 3.58
守屋 15 1 3 30.1 38 15 16 4.75

該当者は7選手います、1人ずつ見ていきましょう。分かりやすいように投球回数順に並べています。

1位は「筒井和也」選手

2013年は1軍で45回1/3投げて防御率2.58という抜群の安定感をみせたが、それ以降は防御率5点台で、2015年も防御率5点台と安定感を欠いた。2軍では57イニングで四球29と少し多い気もするが、防御率2.34と安定し中継ぎとして活躍。しかし2015年現在で年齢も34歳、再起を待っている。

2位は「山本翔也」選手

2013年ドラフト5位の2年目、1軍では10回2/3を投げ防御率4.22だが、1勝をあげた。2軍では防御率1.82とトップクラスの安定感を出した。ちなみに2014年の1年目2軍成績は防御率1.95で、2年目に進化してきているのが分かる。先発もこなせ、ロングリリーフも出来るので2016年は是非開幕1軍で見たい選手だ。

3位は「二神一人」選手

2009年のドラフト1位だが、中々結果が付いてこない。今シーズンはやっと1軍で安定した中継ぎ投手として後半戦に呼ばれた。毎年2軍での投球は安定しているが、1軍で打ち込まれていた。三振も取れる投手で、2016年も中継ぎとして安定した投球を見せて欲しい、でないと雲行きが怪しくなってくる

4位は「島本浩也」選手

1軍では5年目にして初登板したが、18回1/3を投げて防御率8.84と散々な内容だった。被安打が31とあまりにも打たれすぎた。2軍でも防御率4.95と精彩を欠いている、22歳と若いがまだ1軍で投げられるレベルに達していない

5位は「榎田大樹」選手

ここまで成績が下がってくるものなのか、1軍では2014年防御率7.05、2015年は10点台と精細を欠いた。2011~2012年の防御率2点台の投球がまた見たい。2軍では三振も取れ、投球は安定しているが上にあがると・・・ファンはあのときのピッチングを待っている

6位は「鶴直人」選手

1軍で2013~2014年に防御率5点台と期待を裏切った。2015年は後半戦に少し投げ復活の装いを見せたが、どうだろうか。2軍でもぱっとしない成績で、もう10年目。そろそろ結果が欲しい、一時期先発も検討されたが中継ぎで結果を出して欲しい。

6位は「守屋功輝」選手

2014年ドラフト4位の1年目ルーキー。1年目は2軍で中継ぎとして経験をつんだ。被安打が多く、三振もあまり取れないが今後の成長に期待できる22歳だ。まずは安定して2軍で結果を残して体作りに専念して欲しい。

チーム投手成績:抑え編

抑え候補として2軍で登板していた選手を見てみよう。投球回数が少ないので判断が難しいが、20イニング以上でセーブ数がある選手に限定した。

試合 セーブ 安打 三振 自責 防御率
石崎 29 10 51.1 47 54 24 4.21
小嶋 37 6 36.1 28 30 18 4.46
玉置 34 6 34.1 34 42 15 3.93
桑原 26 2 25 19 20 7 2.52
歳内 12 1 20.1 21 12 18 7.97

成績を見てみれば分かるが、2軍で抑えていたストッパー候補は軒並み成績がいまいちだ。では投球回数順に見てみよう。

1位は「石崎剛」選手

2014年ドラフト2位のルーキーで「横山」とともに新日鉄住金鹿島から入団した。1軍では打ち込まれた。2軍では三振が取れ、コントロールも悪くないので抑えに定着し10セーブをあげた。2軍で3勝5敗と負け越したが、来期への成長が期待される。

2位は「小嶋達也」選手

2006年希望枠で入ったドラフト1位相当選手。9年目だがまともに活躍したのは、ルーキーイヤーと2011年のみ。活躍したといっても防御率3点後半~4点とギリギリの活躍。1軍で大量失点し、2軍でもパッとしない成績、背水の陣だ。オリックスへ行った「白仁田寛和」を思い出させる、トレードして環境を変えると化けるかも。

3位は「玉置隆」選手

2004年ドラフト9位で11年目、力はあるが毎年のように1軍へ定着できない。三振が取れてコントロールも悪くは無い。育成枠と2軍をいったりきたり、2軍では阪神で通算成績で見ると相当良い成績を残していそうだが・・・トレードして環境を変えたほうが玉置の為になるか。

4位は「桑原謙太朗」選手

横浜・オリックスを経て今年入団。1軍では出るたびに点を取られ期待に応えられず。2軍では防御率2.52と安定したが、チャンスをものに出来ない。元々コントーロールが良くないので自滅するケースが多い。

5位は「歳内宏明」選手

2軍での成績はボロボロだが1軍では防御率2点台と結果を残した。実は1軍での7月・8月は合わせると防御率5点前後で中継ぎとして足を引っ張っていた。もう1軍に落ちるかと思っていたが中継ぎが手薄な阪神で、和田監督は辛抱強く使った。9月は0点台と好投し今に至る。次打たれたら下に落とそうと思っている段階で、打たれなかったということだろうか。そういう意味では数少ないチャンスを物にしている

チーム投手成績:どうなってんの?編

活躍した選手を横目に、微妙な選手も見てみよう。

試合 安打 三振 自責 防御率
金田 11 1 2 16.2 24 7 11 5.94
松田 11 0 1 13.2 16 18 6 3.95
田面 9 0 0 12 15 10 6 4.50
トラ 4 1 0 3.2 2 3 0 0.00
伊藤 3 0 1 2 4 2 6 27.00

金田和之】選手

2014年は1軍で40試合62回1/3を投げ防御率3.61と中継ぎとして安定した活躍を見せた。2015年は序盤早々打ち込まれ、2軍でも思ったような成績が残せなかった。3年目で25歳と若いので、2016年は中継ぎとして戻ってきて欲しい。

松田遼馬】選手

力のあるボールが特徴で三振が取れるのが魅力。1軍では30試合以上に登板するも防御率5点台と打ち込まれた。四球はあまり出さないが打たれることが多い、甘いボールが多いという事か。2軍でも三振は取れるが被安打率が高い、未来の抑え候補と言われているがまだその域には達していない。

田面巧二郎】選手

1軍への登板は無い3年目の25歳。2014年の2軍では防御率8点台、今年は4点台と苦しい投球が続く。育成枠から這い出せるか。前期は独立リーグの福井ミラクルエレファンツへ派遣されている。派遣策の独立リーグでは、19試合に投げて防御率4.50と苦戦。

トラヴィス】選手

本名は佐村・トラヴィス・幹久で、2015年7月から後期の独立リーグの福井ミラクルエレファンツへ派遣されている。派遣策の独立リーグでは、17試合に投げ防御率6.46と大苦戦。

微妙な成績の選手が多く、現在の阪神の中継ぎ陣を象徴している。1軍での中継ぎ陣は不安定で、先発投手陣に頼っている傾向がある。長いペナントレースを最後まで戦うにはJFKの久保田・ウィリアムス・藤川のようにきちんと後ろが安定している必要がある。ここから未来のタイガースを支える投手は出てくるのだろうか。

2015年2軍全試合終了時点のデータの為、1軍での活躍データは9月末時点でのデータになっていることを予めご了承ください。

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