21世紀(今回は2001年から2005年)の阪神ドラフト1位は、活躍してるのかデータを見てみよう

ドラフトと言えば1位から順に将来有望な選手や、即戦力の選手を指名し自分のチームに入ってもらう制度だ。ここ数十年で制度もかなり様変わりしてきた。自由獲得枠が無くなったり、育成選手枠が設けられたり、地方の独立リーグ出身者が注目されたりしている。では、阪神のドラフト1位に相当する選手は活躍している、またはしたのだろうか調べてみました。20150827-1
出典:阪神タイガース

ドラフトとは?

プロ野球志望届けを提出した選手を、NPB(日本野球機構)にあるセントラル・リーグ及びパシフィック・リーグに所属する12球団が獲得したい選手を指名することを指す。

これによって競合した場合は、くじ引きで抽選となり当たったチームが「選手との契約交渉権」を得る。つまり、同意しない場合は指名したことが無駄になるという事だ。

以前は「高校生選択会議」「大学・社会人 他選択会議」に分けられていた時期があったが、2008年以降は全て統一された。つまり、1球団で高校生ドラフト1位と大学生ドラフト1位という制度が存在したという事だ。

2001年から2004年までは「自由獲得枠」というものがあり、ドラフト会議日以前に独自に契約することが出来たが、当時の明治大学の一場靖弘による裏金問題で、事実上制度は消えた。

育成制度とは、支配下登録選手ではなくあくまで「育成」を目的とした制度だ。ドラフト会議終了時点で、球団選手数が「120人未満」であった場合、選択希望選手を指名終えた後に「育成選手選択会議」が行なわれる。

2001年ドラフト1位相当は「浅井良」と「安藤優也」

この年は自由獲得選手として2名と契約していたので、ドラフト1巡目と2巡目の指名権利が無い。自由獲得枠を使わなかった場合に指名できた当時の制度だ。

浅井良
桐蔭学園高等学校を経て、法政大学から阪神へ入団し2013年で引退。ポジションは外野手と捕手

試合 打数 安打 HR 打率
(11年) 486 688 171 12 66 10 .249
年平均 44.2 62.5 15.5 1.1 6 0.9 .249

捕手から外野手へ転向し、サブとして代打として活躍した。特に2009年と2010年は怪我人が多く出たこともあり、年間100打席以上打席に立った。総合的に見ると、ドラフト1位相当の活躍をした選手とはいえないだろう。

安藤優也
大分雄城台高等学校を経て、法政大学・トヨタ自動車を経て入団し、2015年現在も現役。ポジションは投手。

試合 S H 防御率
(13年) 385 72 61 11 50 1033.1 3.62
年平均 29.6 5.5 4.7 0.8 3.8 79.5 3.62

2005~2006・2008~2009年には先発としてローテーションに入り、近年は中継ぎとして試合に出続けている。毎年5勝、投球回数80回は投げている計算で、ドラフト1位相当としてはまずますの活躍だろう。

2001年のドラフト選手としては、桜井広大・中林祐介・藤原通・喜田剛・梶原和隆・東辰弥がいる。

2002年ドラフト1位相当は「杉山直久」と「江草仁貴」

2名とも自由獲得枠で入団した。

杉山直久
龍谷大学から阪神へ入団、2011年に自由契約、2012年に独立リーグの富山サンダーバーズで現役引退した。

試合 S H 防御率
(8年) 94 21 23 0 0 429 4.01
年平均 11.8 2.6 2.9 0 0 53.6 4.01

2005年に先発の柱として9勝6敗で投球回数134.2、防御率2.94の成績を残し優勝に貢献した。それ以降は目立った活躍が無く、実働8年と物足りない結果に終わった。

江草仁貴

試合 S H 防御率
(12年) 334 22 17 0 47 425.1 3.11
年平均 27.8 1.8 1.4 0 3.9 43.8 3.11

2010年までは阪神で、貴重な中継ぎとして長年安定した投球をみせた。在籍8年の内で防御率2点台が5年、50試合以上登板が4年と貢献した。活躍の割りに年俸が上がらなく気の毒ではあった。2011年に西武へ、2012年から現在は広島カープに所属している。近年は出場機会が激減しているが、阪神在籍時はドラフト1位相当として、戦力として十分活躍してくれた

2002年のドラフト選手としては、中村泰広・久保田智之・三東洋・林威助・田村領平・新井智・伊代野貴照・萱島大介・松下圭太がいる。

2003年ドラフト1位相当は「鳥谷敬」と「筒井和也」

2名とも自由獲得枠で入団した。

鳥谷敬

早稲田大学から阪神へ、阪神選手会長やチームキャプテンを務め、阪神の顔となっている。

試合 打数 安打 HR 打率
(11年) 1545 5648 1611 120 677 99 .285
年平均 140.5 513.5 146.5 10.9 61.5 9 .285

ここまで試合に出続ける鉄人、2015年開幕時点では1466試合連続出場記録中。打ってよし守ってよし走ってよしと、走攻守揃ったプレイヤーで、選球眼がよく出塁率もリーグトップクラスを誇る。ドラフト1位相当にふさわしい、素晴らしい活躍を見せている。

筒井和也

愛知学院大学から阪神へ入団、入団5年目から頭角を現し中継ぎとして安定した投球をみせている。

試合 S H 防御率
(11年) 214 8 6 3 29 236 3.81
年平均 19.5 0.7 0.5 0.3 2.6 21.5 3.81

調子の良いときと悪いときの差が激しく、10年中活躍したのは3年ほど。中継ぎ・セットアッパーとして防御率3点台前後の時もあれば、5点台を越える年もある。ドラフト1位相当として、2013年以来の活躍をして欲しい。

2003年のドラフト選手としては、桟原将司・小宮山慎二・庄田隆弘がいる。

2004年ドラフト1位相当は「能見篤史」と「岡崎太一」

2名とも自由獲得枠で入団した。

能見篤史

鳥取城北高等学校から大阪ガスを経て、阪神に入団。先発や中継ぎをこなし、先発の一角として阪神を支え続けている。実は打撃にも定評がある。

試合 S H 防御率
(10年) 237 73 57 0 12 1156.2 3.17
年平均 23.7 7.3 5.7 0 1.2 115.6 3.17

2009年から先発の柱として、5年連続防御率2.70以下の成績を残し抜群の安定感を見せた。近年は年齢の影響もあり落ち着いて着ているが、10年で1000イニング以上投げて防御率3.17は、ドラフト1位相当として十分な成績を残している。

岡崎太一
奈良の智辯学園高等学校から松下電器を経て、阪神に入団。ポジションは捕手・一塁手で強肩だが打撃にパンチ力が無いのが厳しい。

試合 打数 安打 HR 打率
(10年) 40 28 6 0 1 0 .214
年平均 4 2.8 0.6 0 0.1 0 .214

1軍へ出場したのは10年で40試合と、全く戦力になっていない。ドラフト1位相当として最低ランクの成績にあたる。捕手という特別なポジションであるが故の、まだ現役という待遇だで背水の陣か。

2004年のドラフト選手としては、橋本健太郎・大橋雅法・赤松真人・高橋勇丞・辻本賢人・玉置隆・水落暢明がいる。

2005年ドラフト1位相当は「岩田稔」と「鶴直人」

岩田が希望入団枠、鶴が高校生ドラフト1位となった。

岩田稔
大阪桐蔭高等学校から関西大学を経て、阪神へ入団。高校生のときに1型糖尿病を発症したが諦めずに野球に打ち込み、今や阪神のローテーション投手へ。

試合 S H 防御率
(9年) 129 45 57 0 0 801 3.04
年平均 14.3 5 6.3 0 0 89 3.04

1日4回のインスリン注射をしながら、糖尿病患者との交流や、糖尿病研究への寄付など慈善活動を行なっている。

9年中5年間はローテーション投手としてチームに貢献、防御率も2点台から3点台中盤と安定しており、ドラフト1位相当として申し分ない活躍を続けている。

鶴直人
近畿大学附属高等学校を経てドラフト1位で阪神へ入団。ポジションは投手で先発・中継ぎもこなす。

試合 S H 防御率
(9年) 110 9 8 0 6 217.2 3.85
年平均 12.2 1 0.9 0 0.7 24.1 3.85

2010年は先発として76イニングを投げ2勝4敗、防御率3.77と背筋を痛め秋に離脱、2012年は中継ぎとして自己最多43試合に登板し、57イニングで防御率1.89と抜群の安定感を見せた。その後は不調が続き、防御率は5点台をうろうろしている。戦力になったのは9年間でその2年だけ、ドラフト1位としてはまだ物足りない

2005年のドラフト選手としては、金村大裕・渡辺亮 ・若竹竜士・前田大和がいる。

2001年~2005年は比較的豊作の年

この5年間で10人のドラフト1位相当を獲得した、内訳は投手が7人野手が3人だ。その年に1番期待をかけて獲得するので、契約金も破格で活躍してもらわなければ困る。

21世紀(今回は2001年から2005年)の阪神ドラフト1位は活躍しているのか

10年以上経過した今も、10人中7人が阪神に残っていることからも、実力があり成績を残している選手が多いことが分かる。ドラフト2位以下の選手は8割がた引退しているが、ドラフト1位がこれだけ活躍していれば御の字だろう。



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