パリーグでDH制(指名打者制)を使わないで、投手が打席に立つことは可能なのか?
公開日:2016年5月29日
パリーグとセリーグの違いとはどの部分を指すのでしょうか。もちろん球団も異なれば、試合会場も異なります。しかし1番の違いはDH制が敷かれているという事で、投手が打席に立つことは無いという事なのです。しかし日本ハムの大谷が、何と投手で打席に立ちました、これってアリなんでしょうか。
日本ハムの打順
この日行われた日本ハム対楽天の試合で、打順を見て違和感を覚えました。何と投手が打席に入っているのです。本来はパリーグで投手が打席に立つことは無く、DH制を使って守備は下手だけど強打の打者を置くことがパリーグでは当然のように行われています。
では今回の打順を見てみましょう。
1番:淺間大基(右)
2番:中島卓也(遊)
3番:田中賢介(二)
4番:中田翔(一)
5番:陽岱鋼(中)
6番:大谷翔平(投)
7番:レアード(三)
8番:大野奨太(捕)
9番:西川遥輝(左)
驚きました、何とDHがありません。セリーグでは見慣れた光景ですが、パリーグでDH制を使わないということは通常ありえません。なぜなら投手に打たせるなら、野手で力のある打者を打席に入れたほうが成績が良いからです。
しかし大谷の場合は野手と投手の二刀流を行い、この日も5打数3安打1打点と猛打賞を記録しました。並みの打者よりは大谷のほうがバッティングは上なのです。もちろん打率.359というのは打席数こそ少ないものの驚異的な高い数字です。
DH制を外しても大丈夫なのか?
元々DH制(指名打者制)は、1975年にパリーグが人気低迷にあえいでいた時に出来た制度です。1973年にMLB(メジャーリーグ)でも、人気低迷の為に新しく出来た制度でした、それを参考したというわけです。
あまり知られていないことがあります、パリーグでDH制を外しても問題ないのかということです。実はDH制は放棄することが出来るのです、必ず導入しなければいけないものではないのです。
試合当初から使わないことも、途中で代わりに投手を打順に組み込んで使用を放棄することもできるが、途中からの使用・再使用は認められない。
今回の大谷選手は試合開始前から6番投手でスタメンとして起用されています。対する楽天の先発「釜田」投手は投手として、DHには枡田選手が入っています。要するに北海道日本ハムファイターズだけ放棄したという事になっています。
交流戦ではパリーグの本拠地で試合をする場合に、DH制を採用する事が出来ます。
日本のプロ野球交流戦ではパリーグの本拠地で指名打者制となっていますが、阪神VSロッテ戦で阪神が、読売対オリックス戦で読売が、それぞれ試合の終盤で指名打者制を解除して、DH以外の野手のところに投手を入れていました。このDH制を解除することにメリットはあるのでしょうか?
6・10(b) 指名打者ルールは次の通りである。
チームは必ずしも投手に代わる指名打者を指名しなくてもよいが、試合前に指名しなかったときは、その試合で指名打者を使うことはできない。
指名打者に代えてピンチヒッターを使ってもよい。指名打者に代わった打者は、以後指名打者となる。退いた指名打者は、再び試合に出場できない。
DH制は1度放棄すると、試合が終わるまでDH制を使用することはできません。つまり試合開始前から投手がスタメン登録されていると、野手に変更することが出来ないのです。試合が終わる寸前だった場合は、投手まで打順が回らないことを確認してDH制を放棄するという選択肢もありますが、あまり意味は無いような気がします。
どんな選手がどんな球団がDH制を今まで放棄していたか
投手でも横浜の三浦や元広島の前田健太、元中日の山本昌など打撃が得意な選手もいます。昔に目をやると、桑田真澄や堀内、金田など本塁打をかなり打っている選手も多くいます。下手な野手よりも上手く、通算打率が2割を超えている選手もちらほらと見かけます。そう考えると、投手が打席に立つという事は無くはないのです。もちろん先発投手が多いので、怪我やスタミナの消費が心配されるので推奨はされません。
出典:DH制導入後、DH制度規定試合での投手の打撃
最近でも日本ハムの増井や西武の豊田、パウエルや大塚、西武の黄金期を支えた西口や渡辺久信などの名前が入っています。
今後は大谷のように二刀流をこなす選手は出てくるのでしょうか、パリーグで投手でもすごいが打者でもすごい、数十年に1人の逸材の動向に今後も注目されます。
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