8月(夏)に投手が強いプロ野球チームってどこだろう?データから見てみよう
公開日:2015年9月8日
投手の中には夏に向けて調子を上げてくる選手がいます。体があったまってきたのか、チームが勢いの乗ってきたのか、暑いのが好きなのか、原因は様々です。では12球団を見て、投手が強いプロ野球チームはどこなのでしょうか。防御率・勝敗・先発・先発以外の中継ぎ・抑えのデータを見てみましょう。
セリーグ編
セリーグ6球団を2015年夏の「投手成績別」に並べてみました。
防御率 | 勝-敗 | 先発 | 中継ぎ救援 | |
巨人 | 2.49 | 13-13 | 2.53 | 2.41 |
広島 | 2.92 | 13-12 | 3.28 | 2.22 |
中日 | 3.31 | 14-12 | 3.21 | 3.51 |
ヤクルト | 3.44 | 14-12 | 3.33 | 3.65 |
横浜 | 3.44 | 10-16 | 3.88 | 2.77 |
阪神 | 3.48 | 13-12 | 2.86 | 5.10 |
1位は読売ジャイアンツです。
ポレダが4試合で防御率1.17、マイコラスも3試合で0.75と外人が大活躍。高木勇人と田口麗斗の若手も奮闘し、抜群の投手力を見せ付けました。それ以上に中継ぎから後ろが沢村・高木が防御率1点台と安定し、田原・戸根・土田などフレッシュな顔ぶれが活躍しました。菅野・内海に力が戻ってくれば首位を駆け抜けれるのだが・・・。
2位は広島東洋カープです。
前田健太が月間防御率1.24、ジョンソンが0.77と凄まじい活躍をみせた。福井は3.48と粘ったが、黒田が4.10と調子を落としてきたのが痛い。中継ぎは大瀬良の1.88に中﨑1.59、ヒースが1.93と後ろはリーグ最強の防御率を誇る。後は戸田と一岡の調子が上がってくればいいのだが。先発の枚数が揃えば、更に上位に食い込めるだろう。
3位は中日ドラゴンズです。
大野(防御率1.86)と若松(防御率2.12)が1ヶ月通して活躍した、濱田・ネイラー・バルデスの調子が上がらない。後ろは田島と岡田が防御率1点前後と奮迅したが、又吉・祖父江・浅尾が打ち込まれ、上位に離されないように食らいついてるのがやっとだ。
4位は東京ヤクルトスワローズです。
先発の小川(防御率1.23)と山中(防御率0.40)がチームを引っ張った。石山・石川・館山の調子が上がらず苦戦している。後ろは秋吉・オンドルセク・バーネットが素晴らしい活躍を見せて抑えている。久古とロマンが抑えられるようになれば、防御率も上がってくるのだが。
5位は横浜DeNAベイスターズです。
先発が石田・三嶋・砂田・久保と抑えている結果は出ている。その次がモスコーソ・高崎・三浦とことごとく打たれ、打線の不調も相まって負け越した。後ろは抑えの山﨑を軸に須田・福地・三上・エレラと磐石なリリーフ陣が連ねる。先発さえ試合を作ってくれればいいのだが・・・。
6位は阪神タイガースです。
先発はエースの藤浪を筆頭に岩崎と岩田が試合を作っている。しかしここにきて、メッセンジャーと能見の調子が落ち、苦戦している。そして何といっても中継ぎが完全に崩壊した。安藤とオスンファン以外が出て行く度に打たれ、固定できていない。筒井・歳内・福原・岩本も期待されたが全くダメで防御率は5点台を超えている。中継ぎが磐石になれば優勝も見えてくるのだが・・・。
セリーグは、巨人が抜け出ている。阪神は先発が打たれると負け試合と化しているのが痛い。
パリーグ編
パリーグ6球団を2015年夏の「投手成績別」に並べてみました。
防御率 | 勝-敗 | 先発 | 中継ぎ救援 | |
日本ハム | 3.02 | 16-9 | 3.14 | 2.71 |
ホークス | 3.26 | 17-6 | 3.14 | 2.71 |
西武 | 3.38 | 13-13 | 4.20 | 2.07 |
ロッテ | 3.59 | 11-13 | 4.19 | 2.42 |
オリックス | 3.77 | 9-17 | 3.54 | 4.28 |
楽天 | 4.31 | 8-16 | 3.77 | 5.26 |
1位は北海道日本ハムファイターズです。
大谷翔平・メンドーサ・吉川・中村とリーグ屈指の4枚看板が揃っている。その次が有原・斉藤・新垣と成績を残せないでいて固定できない。後ろは増井・宮西・白村・谷元が絶好調で磐石のリリーフ体制となっていることが大きい。
2位は福岡ソフトバンクホークスです。
先発はバンデンハーク・攝津が防御率2点台で検討しているが、他が中途半端。中田・寺原・武田・スタンリッジが揃って防御率4点台近辺で、悪くは無いがゲームを作るのが難しい。中継ぎは二保・森福・森・飯田と駒が揃っており、打線とあわせれば多少先発がもたついても勝ち越せるのが大きい。
3位は埼玉西武ライオンズです。
先発は岸・菊池雄星・髙橋と3枚しかおらず、野上・十亀・郭俊麟が戦力になっていない。しかし中継ぎはリーグ屈指の力を発揮しており、増田・岡本・牧田・武隈が信じられないくらいノリにのっている。打撃も好調で先発さえしっかりしてくれれば、上位に食い込めるのだが・・・。
4位は千葉ロッテマリーンズです。
先発は大嶺・石川・涌井が防御率3点台と普通のレベルから抜け出せず、唐川・古谷・イ・デウンが防御率4~5点台と頼りない。藤岡・内・松永・西野・益田の5人が磐石で後ろは安心してみていられる。先発と打撃に不安が残る。
5位はオリックス・バファローズです。
なんといっても金子千尋が防御率0.96と復帰したのが大きい。西が防御率2.13・東明が1.55とゲームを作っている。近藤・吉田が話しにならず打ち込まれている。後ろは平野・海田・白仁田の調子が良いがその他が上がってこない。打線も弱く、苦戦は止まらない。
6位は東北楽天ゴールデンイーグルスです。
レイ・則本・戸村・菊池と4枚揃っているが5枚目が決まらない。中継ぎは完全に崩壊しリーグ唯一の5点台だ。武藤・西宮・福山が抑えられず、頼みの松井裕樹も夏場は成績ダウン。青山の負担も大きくなっている。
夏の投手状態まとめ
先発は巨人と広島がやはり強い。阪神・オリックス・楽天の先発以外が崩壊している、夏場は弱い。先発が苦しくても中継ぎが強いところが、上位に引き離されず残っている傾向もある。
オリックスは金子が復調しなければ、どれだけ落ちていたか分からない。楽天も来年に向けて補強を考えなければいけないようになってきた。野球は投手力とはよくいわれるもので、打線が強くても投手力が弱ければ優勝できない。しかしその逆の、打線が弱くても投手力が強ければ優勝できる可能性は大いにあるのである。打者とは異なり、チャンスの多い投手陣に結果を残して活躍する、秋に向けて新しい風は必要になってきた。
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