懐かしの助っ人の今「ベタンコート」「ボーグルソン」「ボウカー」のその後

日本球界には毎年多くの「助っ人外国人選手」が来日します。結果を残すものはごく僅かで、1年で日本を去る選手が圧倒的に多いのが現状です。しかしMLB(メジャーリーグ)へ戻り、はたまた異国の地へ旅立ち結果を残す選手もいたり、引退する選手もいます。
20150516-1

元横浜ベースターズの「ベタンコート」

あの大魔神佐々木がシアトルマリナーズへメジャリーグ移籍した後に、代役として獲得した選手が「ラファエル・ベタンコート」選手です。元々ボストンレッドソックスで、内野手としてプレーし、投手へ転向しましたがどうにも芽が出ず、解雇されたところを横浜ベイスターズのスカウトの目にとまり、投手補強の対象になりました。

横浜ベイスターズの在籍は1年、成績は下記の通りです。

登板 被安 与四 防御率
11 1 2 0 28.2 30 11 16 4.08

佐々木の代役のはずが、11試合中4試合が先発での登板でした。1勝をあげましたが、防御率は4点台といまいちで被安打も多く、三振もあまり取れない・・・24歳と若かったのですが1年で自由契約となりました。

その後は再度メジャーリーグに渡り、クリーブランド・インディアンスと、ベネズエラ代表として国際大会にも出場し、トレードでコロラド・ロッキーズへ。そして2016年に現役を引退しました、何と40歳までプレーしていたのです。そのメジャー生涯成績が下記です。

登板 被安 与四 防御率
680 38 37 75 685.2 596 164 724 3.49

600試合以上登板した鉄腕として、防御率も3.5を切る素晴らしい成績を上げていました。被安打も少なく、コントロールが抜群で四球も少ないと横浜ベイスターズ時代には考えられないような成績をあげました。

横浜ベイスターズのスカウトの目は確かだったが、首脳陣やフロントの判断が間違っていたという事でしょうか。

少なくとも600試合以上に登板した投手の中で、ベタンコートが史上2番目に高いK/BB(四球一つに対する奪三振数の割合)を記録していることを紹介。ベタンコートは制球能力などを表すこの指標で、キャリア通算4.41をマークしており、歴代セーブ王のマリアノ・リベラ(元ヤンキース)や、ビリー・ワグナー(元アストロズほか)らを上回っている。

出典:【MLB】元横浜R.ベタンコートが現役引退 米紙は“M.リベラ越え”の記録を紹介

引退する直前の数字は防御率6点台と散々でしたが、2007年は31ホールドというリーグ最高の数字で、防御率も79回1/3を投げて、1.47という脅威の成績を上げました。コントロールがよく、三振が取れる投手としてメジャーリーグに名を刻みました。

元阪神タイガースの「ライアン・ボーグルソン」

ライアンという名前がかっこいいですね、アメリカの伝説の党首「ノーラン・ライアン」や日本ではライアン小川選手を思い出します。

ライアン・ボーグルソン」はアメリカで「サンフランシスコ・ジャイアンツ」や「ピッツバーグ・パイレーツ」でプレーしたが、メジャーとマイナーを往復し定着にはいたりませんでした。

来日したのが30歳になった頃で、阪神時代の2年間の成績は以下の通りです、上が2007年で下が2008年の成績です。

登板 被安 与四 防御率
20 7 6 0 106.2 113 41 91 4.13
12 3 4 0 65.1 65 19 50 3.99

投げた試合の32試合はいずれも先発でしたが、5回前後と長いイニングを投げることができず調子の良いときと悪いときの差が激しい投手でした。

阪神を戦力外になった後はオリックスへ入団しました。

登板 被安 与四 防御率
30 1 4 0 41.2 39 16 56 4.54

先発の駒が足りているので中継ぎ・リリーフとして1年間投げました。コントロールがよく四球は少なく三振も取れる投手でしたが、好不調の波が激しすぎたのもあり1年で自由契約になりました。

登板 被安 与四 防御率
145 48 46 0 792.2 777 277 623 3.89

その後はアメリカへ戻ってメジャーリーグで活躍しました。「フィラデルフィア・フィリーズ」から「ロサンゼルス・エンゼルス」「サンフランシスコ・ジャイアンツ」と渡り歩き、2011年から2015年の5年間で792回2/3を投げ、48勝をあげました。防御率は3.89と安定しており、日本で培ったコントロールを磨く技術が役に立ったそうです。

日本のプロ野球ニュースをチェックしたり、元阪神の下柳氏とも仲がよいそうです。

「キャリアを終えるために戻ってきたと思っている人もいるようだが、そうではない。自分としては今年は素晴らしいシーズンになると思ってるし、出来る限り長く現役を続けたいと思っているよ」と、今後に向けた意気込みを語っている。
また、パイレーツのクリント・ハードル監督はボーグルソンについて「まだ第一線で活躍できるだけの技術は持っていると信じている」と話し、38歳のベテラン右腕に期待を寄せていた。

出典:【MLB】元阪神R.ボーグルソンが今季に意気込み「素晴らしいシーズンになる」

2016年は阪神へ来る前に在籍していた「ピッツバーグ・パイレーツ」へ戻り開幕を迎えます。38歳との事ですが、最近のプロ野球は40前後でも活躍する選手が増えています。もう一花咲かせて欲しいものです。

元巨人の「ジョン・ボウカー」

日本に来る前は「サンフランシスコ・ジャイアンツ」「ピッツバーグ・パイレーツ」と渡り歩いていた「ジョン・ボウカー」です。ジャイアンツ時代の1年目に326打数83安打10本塁打43打点、打率.255と活躍したが1年目が1番良い成績を残していた。AAA級などでは安定して活躍し、最優秀選手にも選ばれたこともあり、巨人が獲得に乗り出した。

HR 打率
174 455 107 17 56 133 35 2 .235

1年目は打率.196と全く打てなかったが、日本シリーズで打ちまくり日本シリーズ優秀選手に選ばれた。もう自由契約で退団だろうと誰もが思っていたところのこの大活躍、他球団のファンでも覚えてるくらいすごかった。

2年目は前年を上回った活躍を見せたが、主力選手の好調で代打や控えに回ることが多くなった。14本塁打で打点46打率.262と残しておいても良さそうだったが、自由契約になった。

その後は一度はメキシカンリーグの「カンペチェ・パイレーツ」と契約したが、東北楽天ゴールデンイーグルスが主力の怪我で、急遽契約したボウカー。

HR 打率
65 214 53 7 22 55 11 3 .248

成績も助っ人外国人としては微妙で、1年で退団となった。そして「インディアナポリス・インディアンス」のAAA級に復帰したが、自由契約となった。

ルートインBCリーグの福島は26日、巨人などで活躍したジョン・ボウカー外野手(32)を獲得したと発表。

出典:BC福島 元巨人ボウカー獲得 昨年は米国でプレー

なんと、独立リーグの福島でプレーすることが決まったというニュースが舞い込んできた。元々は「サンフランシスコ・ジャイアンツ」在籍時に、元阪神の藪恵壹とも仲がよく親日家で全力プレーが評判、勉強熱心という野球に対する熱意がすごい選手でした。休日返上してでも野球練習をする努力家で、そのプレーで2016年は元気な姿を見せてくれるでしょう。



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