2016年に向けた「阪神外国人選手」の状況をまとめてみよう
公開日:2015年12月5日
2015年はラッキーで拾ったAクラスの3位でしたが、内容はBクラスと言っても良いような成績でした。打撃も投球も中途半端な1年でしたが、ある程度の順位にいるのは外国人選手の活躍があったからともいえます。外国人選手が投手・野手共にいなければ代わりがいないのでどこまで負けていたか分かりません。現在の状況と2016年に向けた情報を整理してみましょう。
画像左出典:マウロ・ゴメス選手との契約締結について 阪神タイガース
画像右出典:ネルソン・ペレス選手との契約締結について 阪神タイガース
阪神の外国人選手一覧
2015年に在籍した阪神タイガースの外国人選手は、以下のようになっています。
【野手】
・マット・マートン→退団
・マウロ・ゴメス→残留
・ネルソン・ペレス→残留
・マット・ヘイグ→入団
【投手】
・呉 昇桓(オスンファン)→保留
・ランディ・メッセンジャー→残留濃厚
・マリオ・サンティアゴ→退団
では個別に成績や状況を見ていこう。
マット・マートンは退団
野手では「マット・マートン」が退団となった。首位打者1回・最多安打3回と稀に見る助っ人外国人としては大当たりだったが、年俸・長打不足・素行など様々な問題で阪神が契約を結ばなかった。
マートンは自身の公式ホームページで「みなさんとお別れするのは寂しいですが、同時にこの先に待っている次なる挑戦も楽しみにしています」と、思いをつづった。
試合 | 打数 | 安打 | HR | 打点 | 盗塁 | 打率 |
832 | 3287 | 1020 | 77 | 417 | 27 | .310 |
阪神は、マット・マートン外野手(33)と16日(現地時間15日)にテネシー州ノックスビルで来季の選手契約を締結したことを発表した。昨オフに2年契約を結び、2年目の来季は球団に選択権があった。年俸は約4億5000万円
出典:マートン 球児超え4億5000万円!金本に次ぐ球団史上2位
バース以来の優良助っ人として期待されたが、2015年の最終年俸は約4億5000万円というのだから高額だ。恐らく容易に下げれないので、それに見合う活躍でなければ契約更新するのは割に合わないと判断したのだろう。さすがに打率.276、本塁打9、打点59、得点圏打率.234に4億5000万円は高すぎる。
国内の他の球団かメジャーリーグかはまだ分からないが、次の新天地で活躍を期待しています。1年目の衝撃は忘れないと共に、素晴らしいバットコントロールでした。
→元阪神マートンとバルディリス・オスンファンの行き先が決まった!
(2016年2月6日追記:次の行き先が決まりました)
マウロ・ゴメスは残留
2年目のゴメスは残留となった。2年目の今期は本塁打・打点・打率において昨年を下回ったが、新しい外国人選手を獲得するリスクを考えるとある程度計算ができるゴメスを置いておいたほうが良いと判断したのではないだろうか。
「阪神タイガースに戻ることができ、大変嬉しい気持ちでいっぱいです。帰国前に金本監督から言われた通りに、しっかりトレーニングをしています。来シーズンがベストイヤーになるように頑張ります。」
出典:マウロ・ゴメス選手との契約締結について 阪神タイガース
年度 | 試 | 打 | 安 | HR | 打点 | 盗 | 打率 |
2014 | 143 | 537 | 152 | 26 | 109 | 1 | .283 |
2015 | 143 | 520 | 141 | 17 | 72 | 0 | .271 |
1年目より劣ってはいるが、出塁率はほとんど変わっていない。1年目が.369で2年目が.364となっている。これは三振が1年目の166から134へ減少し、四球が67から72へと減ったことが原因だ。
阪神は4日、マウロ・ゴメス内野手(31)と来季の契約を結んだと発表した。1年契約で年俸2億円。
年俸は2億円とのことで、マートンの4億5000万を考えれば安いとみるべきだろう。年齢もマートンより4歳ほど若く、大きくは期待できないがある程度の成績を残してくれそうだ。
ネルソン・ペレスは残留
ペレスが残留となった。ペレスは2015年にマートンの代わりとして獲得し、それまではBCリーグの石川ミリオンスターズで圧倒的な活躍をしていた。2015年3月にBCリーグに入団し、2015年6月に阪神と契約した。
来シーズンも阪神でプレーができるチャンスをいただき、たいへん感謝しています。もっと一軍で活躍できるように、春季キャンプから力いっぱい頑張ります。
出典:ネルソン・ペレス選手との契約締結について 阪神タイガース
年度 | 試 | 打 | 安 | HR | 打点 | 盗 | 打率 |
BC | 30 | 111 | 36 | 7 | 24 | 1 | .324 |
2軍 | 48 | 181 | 57 | 14 | 35 | 0 | .315 |
BCリーグでダントツの成績を残し、シーズン途中で阪神へ加入した。2軍では圧倒的な打力を見せ、阪神2軍選手の中でも成績はダントツで、まだ28歳と若い。
阪神は5日、ネルソン・ペレス外野手(28)と来季の契約を結んだと発表した。1年契約で年俸2000万円。
マートンとゴメスの復調の影響で、1軍では3試合9打数無安打に終わったが、将来性ありということで残留となった。年俸は2000万円で新外国人がダメだったときに、競わせる為にも安いと判断されたのだろう。マートンがいなくなり、新外国人も活躍できるか分からないのでチャンスが出てきた。
呉 昇桓(オスンファン)は保留
大リーグを目指すのか、韓国に復帰するのか、いまだ決定していない。また、韓国で問題になっている賭博に関与したのかなど、新しい問題が出てきた。
保留選手名簿から外れ、2日に自由契約選手として公示。年内に交渉がまとまらない場合は年明け早々から代役を任せられる新外国人投手の緊急補強へ動く見通しだ。
韓国・サムスン時代から親交の深い林昌勇が海外での不法賭博容疑で韓国検察から調査を受けている問題だ。阪神側の聴取に対して呉昇桓本人、代理人とも関与疑惑を否定しており、現段階では不問とする方針。ただ、契約締結後に韓国内で刑事罰、あるいは、収監されるようなケースが発生した場合は、契約破棄の条項を契約書に盛り込むことも検討しているという。
出典:阪神、呉昇桓との交渉期限は「年内」 賭博関与→刑事罰なら契約破棄も
年度 | 試 | 勝 | 敗 | H | S | 回 | 三 | 防御率 |
2014 | 64 | 2 | 4 | 5 | 39 | 66.2 | 81 | 1.76 |
2015 | 63 | 2 | 3 | 7 | 41 | 69.1 | 66 | 2.73 |
2年連続セーブ王ではあるが、2015年は1点も防御率を落とした。投球回数があまり変わっていないが、被安打が41から64へと増加し、奪三振も81から66へと減少した。失点も大幅に増えて、推定3億円といわれる年俸に見合うかどうかが不安視されている。
ヒースは昨年7月にホワイトソックス3Aから広島に入団。7試合に先発して3勝(0敗、防御率2・38)を挙げた。2年目の今季は抑えを期待されたが安定感を欠き、43試合で3勝6敗4セーブ10ホールドに終わったが、防御率は2・36だった。
出典:阪神、前広島ヒース獲り急浮上!残留か退団か…呉昇桓の流出に備え
前広島カープのヒースが候補に上がっている。防御率も2年連続2.3台と安定して日本球界にも慣れて来ている。年齢も30歳とまだ若く、年俸も広島では推定7,500万円とのことでオスンファンに比べると格安だ。
→元阪神マートンとバルディリス・オスンファンの行き先が決まった!
(2016年2月6日追記:次の行き先が決まりました)
ランディ・メッセンジャーは保留
来日6年目の2015年は前半戦は絶不調に陥ったが、後半戦に怒涛の活躍を見せ最終的にはリーグ9位の防御率2.97と素晴らしい投球を見せてくれた。
2015年は9勝12敗で防御率2.97と結果的には最多勝を獲得した前年(3.20)より、防御率がよいという成績だった。まだ正式な契約は結ばれていないが、もちろん2016年の戦力だろう。
今季は9勝に終わり、自己ワーストの12敗を喫した。「全体的に悪くはなかった1年だった。でも10勝目ができなくて悔しいですね」と振り返った。助っ人右腕は来季残留する方向。「もちろん、来年も帰ってくるつもりでいるよ」と笑顔で話した。
来年は2桁、2点台の防御率期待しています。本人は帰ってくる気満々なので、恐らく2016年も阪神で活躍してくれることでしょう。
マリオ・サンティアゴは退団
2013年プエルトリコ代表だった「サンティアゴ」だが、自由契約となった。メッセンジャーとオスンファンが離脱したときの為に、先発と抑えどちらでもこなせそうな選手という位置づけだった。
試合 | 勝 | 敗 | H | S | 回 | 三 | 防御率 |
3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 16.2 | 7 | 4.32 |
可も無く不可も無くといった成績と実力、三振を取れるというタイプではないが球速は速い。四球が多く少し不安定になりがちで、30歳で推定1500万円という年俸だが来期の構想外となってしまった。新外国人選手や金本監督の元での若手の下からの突き上げを、期待する事にしたのだろうか。
マット・ヘイグが入団
最後に来期の新戦力として「マット・ヘイグ」が入団した。以下は3Aでのトータルの成績で、メジャーでは84打数19安打0本塁打7打点で打率.226となっている。
試 | 打 | 安 | HR | 打点 | 盗 | 三 | 打率 |
616 | 2343 | 707 | 50 | 366 | 17 | 355 | .301 |
以前から日本の野球にも興味を持っていましたし、今日ここに阪神タイガースと契約できたことを大変幸せに思います。契約後の夕食にオマリー打撃コーチ補佐やシーツ国際スカウトが来てくれたことを、たいへん嬉しく思います。また彼らからいろんなアドバイスをいただいたことを感謝しています。しっかりと身体をつくり、早めに来日してキャンプに備えたいと思います。ファンのみなさん、応援よろしくお願いします。
30歳と若く、マートンを彷彿とさせるような安打製造機というところが良い印象だろう。メジャーでも少しだけ打っていて、日本の野球にどれだけ適応できるかが試されます。既にオマリー・シーツと阪神スタッフからいろいろ情報を得ているそうで、期待が高まります。
先日、球団の正式発表を待たずに自ら“フライング発表”をして話題になった阪神の新外国人、マット・ヘイグ。推定年俸は8000万円と、マートンの4億5000万円(2015年推定)に比べると超格安。実力が5分の1以下となれば大問題だが、新外国人はやってみなければ分からないというのが実情だ。
推定8000万の年俸という事で、マートンの4億5000万に比べると安いといえるがどれだけ活躍できるかでその費用対効果は変わってきます。3割近くの打率と、2桁の本塁打、得点圏でも3割近く、これくらいはやってもらいたいものです。野手も投手も2015年と変わる2016年のシーズンですが、金本監督の元外国人選手はどれだけ活躍してくれるかに、上位進出の可能性がかかっています。
Tweet